結果を出すライターの頭の中、完全解説。

こんにちは。「ウレルの文章相談所」のウレルです。

多くのライティング講座では、「お客様の声を集めましょう」「ポートフォリオを磨きましょう」といった、様々なテクニックが語られます。しかし、私が10年以上、常に「結果」だけを求められる現場で戦ってくる中で、それらのテクニックをほとんど使ったことがない、と言ったら、あなたは驚くでしょうか。

私が本当に大切にしているのは、小手先のテクニックではありません。クライアントのビジネスを成功に導くための、一貫した「思考のプロセス」です。

この記事では、私が一つの仕事を請けてから、最終的な文章を提出するまでの、頭の中の動き、その手順のすべてを、初めて具体的にお話しします。

まず、私が最初に行うこと。それは、クライアントが本当に求める「結果（ゴール）」を、絶対に見誤らないことです。

何をすべきか： クライアントに、ただ一つの質問をします。「この文章で、最終的に何を達成したいですか？」と。視聴率を高めたいのか、売上を高めたいのか、フォロワー数を高めたいのか、認知度を高めたいのか。何を目的とするかで、書き方は180度変わります。
ウレル式・心得： クライアント自身も、本当のゴールを理解していないことがある。彼らの言葉の奥にある、ビジネスの本質的な課題を見抜き、本当のゴールを定義してあげること。それが、プロの最初の仕事だ。

次に、クライアントの話を聞きます。しかし、私は決して深入りはしません。

何をすべきか： クライアントの商品やサービス、ターゲットについての話は、一通り聞きます。しかし、ある程度の情報を得たら、意図的に、そこで一旦ヒアリングを止めます。
ウレル式・心得： 聞けば聞くほど、クライアントの「常識」に、思考が同調してしまう。それでは、クライアントが自分で想像できる範囲の、ありきたりな文章しか生まれない。プロの価値は、その「常識」を鮮やかに裏切る、外部の視点にある。クライアントに同調するな。意図的に距離を取れ。

クライアントから適度な距離を取ったら、ここからが最も創造的な作業です。私は、クライアントのいる業界から、一度完全に離れます。

何をすべきか： 全く違う分野の専門書を読んだり、歴史を遡って過去の事例を調べたりします。時間と空間を意図的にずらし、一度、発想を極限まで「複雑」にするのです。
ウレル式・心得： 答えは、クライアントの業界の中にはない。それは、全く違う場所、全く違う時代に、姿を変えて眠っている。歴史、哲学、芸術、科学…あらゆる引き出しから、今回のテーマに応用できる「本質」を探し出せ。その複雑な思考の旅こそが、誰も思いつかない、唯一無二の切り口を生み出す。

複雑に広げた発想を、最後は「文章」という、限られた枠の中に収束させていきます。

何をすべきか： どんなにユニークなアイデアも、どんなに美しい表現も、最終的には、ステップ1で定義した「目的」を達成するために、すべてが奉仕しなければなりません。
ウレル式・心得： 創造の旅から、現実に戻ってこい。あなたの仕事は、芸術作品を作ることではない。クライアントのビジネスを成功させることだ。広げに広げた思考の中から、最初の目的を最大化させるための一番鋭い「刃」だけを、研ぎ澄ませて選び抜け。そして、それ以外のものは、たとえ惜しくても、すべて捨てろ。