自分の仕事の「値段」は幾らが適切か。

こんにちは。「ウレルの文章相談所」のウレルです。

このブログは、文章の相談をする場所です。ビジネスの展開方法について、特に「価格設定」のような、あまりにもケースバイケースな話は、本来の範疇外かもしれません。

「こうすれば必ず稼げる」という方法は、どんなビジネスにも存在しません。しかし、この仕事をしていると、最も多く、そして最も答えるのが難しい質問をされます。 「私の仕事、いくらで受ければいいですか？」

この記事では、具体的な金額ではなく、私が10年以上、結果だけが求められる世界で戦い抜いてきた経験から学んだ、プロとして自分の仕事に「値段」をつけるための、本質的な「哲学」についてお話しします。

まず、大前提として。特別な事情がない限り、あなたの仕事を無料で提供してはいけません。（私も過去に、お祝いとして無償で仕事をした経験はありますが、それはあくまで例外です。）プロである以上、1円でもいい。あなたの時間と技術には、必ず対価が支払われるべきです。

単発の仕事で高単価を狙う、という働き方もあります。しかし、私はそのクライアントと、長く付き合っていけるかどうかを、最も重視しています。

初めてのクライアントの仕事は、非常に時間がかかります。相手のビジネスを理解し、信頼関係を築くのには、相応のエネルギーが必要です。単発の仕事ばかりでは、常にこの高いコストを払い続けることになり、疲弊してしまいます。

継続的な取引は、収入を安定させるだけでなく、クライアントと共に成長し、あなた自身のスキルを高める最高の機会になります。目指すべき方向は、こちらです。

ここで、価格交渉の前に、絶対に理解しておかなければならない、プロとして最も陥りやすい「罠」についてお話しします。それは、売上金額という「幻想」です。

あなたは、自分の書いたLPで、クライアントの売上が1億円になったとします。その時、あなたは「自分が1億円売り上げた」と思いますか？

もし、少しでもそう思うなら、それは勘違い甚だしい。一つの商品がお客様の元に届くまでには、何千、何万という人の仕事が関わっています。ライターの仕事は、その巨大なビジネスの中の、ほんのわずかな一部分を担っているにすぎません。

その最後の一部分だけを切り取って、「自分が1億円売り上げた」と考えるのは、あまりにも傲慢です。そして、その傲慢な気持ちは、必ずクライアントに見透かされ、次の仕事には繋がりません。

私の周りには、カメラマンなど、多くのフリーランスがいますが、長く活躍している人ほど、人間関係を非常に大切にしています。挨拶をする、時間を守る、無茶な請求はしない。そういった基本的な立ち居振る舞いが、結局は「運」を呼び込みます。

正直なところ、良いクライアントに巡り会えるかどうかは、「運」の要素が非常に大きい。しかし、その「運」を引き寄せる確率を上げるのは、あなたの技術だけではなく、人としての誠実さなのです。

ただし、ここからが、プロとして最も難しい部分です。

仕事から離れ、クライアントや世間と向き合う時には、「自分は、この広い世界の中の、ほんの小さな役割を担っているにすぎない」という、深い謙虚さを持たなければなりません。

しかし、ひとたび文章を書く時には、その謙虚さを、完全に捨て去る必要があります。 「この文章一本で、この会社を、いや、世界を変えてやるんだ」 という、揺るぎない、傲慢なほどの自信を持って書かなければなりません。その狂気にも似た確信がなければ、人の心を動かす文章など書けません。

この、圧倒的な自信と、深い謙虚さ。 一見、矛盾するこの2つのバランスを、自分の中で保ち続けること。それこそが、プロとして長く生き残るための、唯一の方法だと私は信じています。

結局のところ、あなたの仕事の値段は、あなた自身が決めるしかありません。それは、あなたが、

という、プロとしての「覚悟」そのものが、反映されたものなのです。

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