「クライアントが引くくらい」で丁度いい。私が、心を揺さぶる文章で絶対に一歩も引かない理由。

はじめまして。「ウレルの文章相談所」のウレルです。

突然ですが、あなたに質問です。クライアントに提案をする時、あなたは「これはちょっとやりすぎかな…」「こんなことを言ったら、クライアントは引いてしまうかもしれない…」と、無意識にブレーキをかけてはいませんか？

もし、少しでも心当たりがあるなら、あなたはプロとして、最も大切な価値を自ら手放してしまっているのかもしれません。

この記事では、私が10年間、結果だけが求められる世界で戦い抜いてきた経験からたどり着いた、「なぜ、プロの提案はクライアントの予想を裏切るべきなのか」という、少し過激な、しかし本質的な話をしようと思います。

まず、大前提として、読者の予想の範囲内に収まる表現に、価値は一切ありません。

情報で溢れかえった現代において、ありきたりな言葉や、どこかで見たような表現は、存在していないのと同じです。読者の目に留まることすらなく、記憶に残ることもなく、ただ流されていくだけ。

人の心を本当に動かすのは、「え、そんなこと言っていいの？」「こんな表現、今まで見たことがない！」といった、常識を揺さぶる、少しだけトゲのある言葉です。

中途半端な当たり障りのない表現は、誰の心にも響きません。心を揺さぶるためには、こちらも心を揺さぶる覚悟で、表現の限界に踏み込む必要があるのです。

「でも、クライアントの意向は尊重すべきでは？」もちろん、その通りです。しかし、「尊重」と「言いなり」は全く違います。

考えてみてください。もし、クライアントが自分で想像できる範囲のことで満足できるなら、そもそもプロのライターに仕事を発注したりはしません。自分でやります。

ライターに仕事を依頼するのは、自分にはない視点、自分では思いつかない表現、自分では描けない未来を求めているからです。つまり、クライアントは私たちプロに「良い意味での裏切り」を期待しているのです。

クライアントの想像の範囲内で、こぢんまりとまとまった無難な提案をすること。それは、プロとしての仕事を放棄しているのと同じです。私たちの価値は、その期待と想像を鮮やかに裏切ることにこそ、宿るのです。

過去に、忘れられない失敗があります。

あるクライアントの要望を、私はそれはもう熱心にヒアリングし、その言葉を忠実に、完璧にLPに反映させました。クライアントは「そうそう、これだよ！」と大変満足し、そのLPはすんなりと採用されました。

しかし、結果は惨敗。全く売れませんでした。

この時、私は痛感しました。クライアントは、自分のビジネスのプロではあるけれど、それを「伝える」プロではない。だから、彼らに答えを求めても、正しい結果は得られないのだ、と。

この失敗以降、私はクライアントの要望を鵜呑みにするのをやめました。もちろん、要望の奥にある本質は深く理解します。しかし、最終的な表現においては、たとえ反対されようと、クライアントが少し引いてしまうほどの提案であろうと、「私がプロとして、これが最も売れると信じる表現」を貫くようになりました。

なぜなら、それこそが、私がお金をいただいている、本当の理由だからです。

もしあなたが今、自分の提案に自信が持てなかったり、クライアントの顔色を伺ってしまったりしているのなら、思い出してください。

あなたに求められているのは、「無難な作業員」ではありません。常識を打ち破り、結果を出すための「プロの表現者」です。

恐れず、踏み込みましょう。クライアントが少し引くくらいの提案こそ、あなたの価値を証明する、最高のチャンスなのです。

ウレルの文章相談所所長ウレル

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